藤安淳氏講演会
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先日写真学科では写真家の藤安淳氏にお越し頂き講演会を行いました。
その様子をお伝えします。
藤安さんは東京都出身で2007年に写真表現大学修了後、 2008年に「第1回塩竈フォトフェスティバル写真賞」で大賞受賞、2014 「in)(between. ShaShin Book Award 2014」で優秀賞を受賞されています。
今回の講演会では自身の処女作である双子の弟と自分自身の身体のパーツを撮影した「DZ-dizygotic twins」、「時間と記憶」をキーワードに父親を撮影した「34」、そして他の双子を各々の部屋の中もしくは思い出の場所で個別に撮影した「empathize」、これらの作品の説明を前半にしてもらい、後半は学生に対しての質疑応答とこれから写真の道を進んでいく為のレクチャーなどをして頂きました。
まず始めに自身のデビュー作となった「DZ-dizygotic twins」の説明をして頂いたのですが、藤安さんには双子の弟さんがおり、その弟さんと自身の関係性や自分と似た存在が自分と認識されていることへ不安を覚えた藤安さんは、弟さんの身体のパーツと自身の身体のパーツを撮影比較し、どこが似ていて、どこに違いがあるのかを明確にしようと試みたのがこの作品の始まりだったようです。
もともと他者との関係性に興味を持ち、もっとも短な他者である双子の弟さんを撮ることが自分の写真家としてのスタートだと思った藤安さんのとって、「DZ」という作品はその思いをとても顕著に表した作品のように感じました。
次に説明頂いた「34」という作品は「時間と記憶」がテーマになっており、自身の父親が病で入院したことをきっかけに父親が自身を産むまでに過ごした34年間という自分では知ることのできない時間を視覚化したいという思いから制作されたそうです。34年という時間は父親の身体に刻み込まれているという思いから、父の身体を撮影、更に自分の身体の写真も展示の際に並べることにより、父親が自分を産むまでに重ねた時間と自分が生まれてから共に過ごした時間を重層的に見せようとする作品になっていました。
最後の「empathize」という作品は、二対のポートレートとファミリーポートレート、顔のみの写真の3部作で構成されており、自分以外の他の双子が自分が持った不安や疑問をどのように感じ、考え、あるいは何も気にしていないのかを探るために作られたそうです。制作の初期段階では二対のポートレートのみとなっていたそうですが、作品の世界観を広げるために個人の違いをよりピンポイントに表すことの出来る顔のみの写真と双子の両親を入れることで、その双子が父親と母親のどちらに似ているかなどを考えさせ今までとは違うベクトルを見る人に与えるファミリーポートレートを合わせた構成となったそうです。
初期作品の「DZ」はモノクロ写真で撮影されていたのに対し、「empathize」はカラー写真で撮影が行われており、今までよりも被写体とその周りの関係性や背景を意識した作品に感じました。
作品説明の後は、これから写真の業界を進んで行く為のレクチャーと質疑応答が行われました。
藤安さんから9個のプロットが提示され、それぞれには業界を進んで行くためのポイントがまとめられており、学生たちにはとても役立つものになっていました。
学生たちも自身の将来に直接繋がるお話とあってメモをとる姿も多く見られ、今回の講演会で多くものが得られた思います!
藤安さん、長時間に渡る貴重なお話、ありがとうございました!
現在ビジュアルアーツギャラリーでは、11月24日まで藤安淳さんの展示「foucus-feel-think」が開催されています。
写真そのものとじっくり向き合い、その時間を楽しめるように構成された藤安さんの展示を堪能しに来て下さい!
以上、藤安淳氏の講演会の様子をお伝えしました!
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